
基板実装に従事して30年の実装技術者です。
新製品や工場監査の悩み解決になればと思い
ブログを書いています。大量生産品は海外生産が多いですが
現代を支える産業なので国内生産することが技術発展にも繋がります。
基板実装業界の発展が未来を支えるので
この業界に関わる方が増えることを望んでいます。



様々な種類があるクリームはんだがありますが
この記事では一般的なクリームはんだについて解説したいと思います。
クリームはんだは、 SolderPasteとも言われます。
プリント基板実装工程に使われるクリームはんだについて紹介します。
初めての方でも分かり易く記事にしてます。
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プリント基板製品は






SMT(表面実装)工程 ~初心者の方にも分かり易く解説をチェック!




クリームはんだとは(ソルダーペースト)
クリームはんだとは、電子部品をする際に用いられるはんだの一部で、通常はんだよりも高い粘性を持つため、実装時に実装流れ落ちるのを防ぐことができます。
クリームはんだは、メタルマスクと呼ばれる薄い板を使って基板上に印刷されます。このステンシルには、部品を実装する位置に対応する小さな穴が開けられており、そこにクリームはんだが塗布されます。
部品が基板に配置され、クリームはんだを加熱することで、はんだが溶け、部品が基板に固定されます。
クリームはんだは、部品の実装が精密な場合に特に有用であり、表面実装技術(SMT)において広く使用されています。また、鉛フリーの環境にも適していることから、現在では一般的なはんだとなっており、SMT(表面実装)でプリント基板にはんだを印刷する場合に使用します。
粒状はんだ合金と液体のフラックスが混ざり合うことでクリーム状になっています。



型式 | S70G-Type4 | TLF-204-MDS | M40-LS720V-TYPE4 | SN100C P506 D4 |
---|---|---|---|---|
メーカー | 千住金属 | タムラ製作所 | 千住金属 | 日本スペリア |
組成 | Sn-3.0Ag0.5Cu | Sn-3.0Ag0.5Cu | Sn-1.0Ag-0.7Cu-Bi,In | Sn-0.7Cu-0.05Ni-Ge |
組成タイプ | 標準品 | 標準品 | 低銀1.0% | 銀レス |
融点:固相線 | 217℃ | 217℃ | 211℃ | ー |
融点:液相線 | 220℃ | 220℃ | 222℃ | 227℃ |



クリームはんだ評価のまとめをチェック!
メタルマスク ~プリント基板実装の品質左右する治工具をチェック!
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はんだの融点について
型式 | S70G-Type4 | TLF-204-MDS | M40-LS720V-TYPE4 | SN100C P506 D4 |
---|---|---|---|---|
メーカー | 千住金属 | タムラ製作所 | 千住金属 | 日本スペリア |
組成 | Sn-3.0Ag0.5Cu | Sn-3.0Ag0.5Cu | Sn-1.0Ag-0.7Cu-Bi,In | Sn-0.7Cu-0.05Ni-Ge |
組成タイプ | 標準品 | 標準品 | 低銀1.0% | 銀レス |
融点:固相線 | 217℃ | 217℃ | 211℃ | ー |
融点:液相線 | 220℃ | 220℃ | 222℃ | 227℃ |
クリームはんだですが組成(金属物質の構成)によって融点が違うのも特徴です。
組成:Sn-3.0Ag0.5Cu 融点:217~219℃
・千住金属製 :S70G-TYPE4
・タムラ製作所製 :TLF-204-MDS
一般的な鉛フリーはんだで一番流通している組成です。
錫96.5% 銀3% 銅0.5%の割合のはんだでSAC305(サックサンマルゴ)と言う方もおり鉛フリーはんだで一般的な組成各メーカーフラックスで製品特徴を差別化しているクリームはんだです
組成:Sn-1.0Ag-0.7Cu-Bi,In 融点:211~222℃
・千住金属製:M40-LS720V-TYPE4
組成:Sn-0.7Cu-0.05Ni-Ge 融点:227℃
・日本スペリア製:SN100C P506 D4
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クリームはんだ切替の難しさをチェック!






クリームはんだ粒径について
クリームはんだには組成だけではなく粒径(粒の大きさ)も数種類あります。



Type5や6などの微細クリームはんだ注意点として はんだ不濡れ、未溶融の不具合発生もしやすいので注意が必要です。




クリームはんだ粒径によるコスト
0402チップサイズの今後
0402チップサイズの採用はJEITAでのロードマップでも微増という予想になっており、現状についても様々な立場のメーカーにヒヤリングを行い、現状の把握をした。
実際には採用が増えている方向になっていないのが実情である。
クリームはんだメーカー | 実装工場側から運用面や品質において運用性が悪くコストダウンに繋がらないため避けれれている。 また、製品開発側からも部品信頼性の観点で避けられている傾向 |
治工具メーカー | クリームはんだ印刷観点では問題なく運用する事が可能。メタルマスク板厚を薄くする分、大型部品でのはんだ量確保の課題としている実装メーカーが多く採用が少ない。 |
部品メーカー | まだまだ部品費が高くコストメリットが出ていない。採用数が増えていないのが実情でモバイル製品、ウエアラブル製品などの採用にとどまっている。 |



クリームはんだ以外のはんだをチェック!
クリームはんだ印刷技術/温度プロファイル技術が重要
クリームはんだは組成を選んば済むという訳ではなく、選択したクリームはんだの品質良好なはんだ付けをするには様々な技術が必要になります。



クリームはんだ印刷 ~地味だが重要な基板実装工程の要をチェック!






リフローはんだ付け 温度プロファイルの重要性をチェック!







まとめ



この記事ではプリント基板表面実装工程の電子材料クリームはんだについて解説しました。
プリント基板実装には様々な材料や工程で構成され非常に多数の組み合わせで製品が生産されています。
この実装技術はスマホからパソコン、ロボット、家電等電気が使われる物には必ず使われています。
基板実装技術はあまり認知されていない分野ですが今日の生活には欠かせない技術です。
是非他の記事も読んでいた頂きどのようなものか理解してください。
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コメント
コメント一覧 (2件)
はじめてコメントさせていただきます。
基板実装 製造技術職の土屋と申します。
記事に”Type5や6などの微細クリームはんだ注意点として はんだ不濡れ、未溶融の不具合発生もしやすいので注意が必要です。”と記述がございますが、上記事象が発生する理由(原因)はなぜなのでしょうか。
ご説明いただけると幸いです。。。
土屋さん
初めまして、まっさんと申します。
ご連絡頂きましてありがとうございます。
下記にご回答します。
お問い合わせ内容として
記事に”Type5や6などの微細クリームはんだ注意点として はんだ不濡れ、未溶融の不具合発生もしやすいので注意が必要です。”と記述がございますが、
上記事象が発生する理由(原因)はなぜなのでしょうか。
ご回答として
クリームはんだ粒径が小さくなると
粒の周りフラックスが外気に触れる面(面積)が増えて酸化しやすいからと思っています。
温度プロファイルで急激な温度上昇をしないようにすると防げるという認識です。
※2段階で温度上昇する台形プロファイルではなく下記記事にあるような
タイプのプロファイルが良いと思います。
https://ar50-masan.com/reflow_temperature_profile/
ご参考になれば幸いです。