SMT工程(表面実装)に必須なクリームはんだについて調査してみました。
普段お世話になっているメーカーやそうでないメーカーもありますが国内にはどれくらいのメーカーがあるのか紹介したいと思います。
クリームはんだによって温度プロファイルや濡れ性、ボイドなど基板実装品質の大きな影響があるものですので選定するにも色々迷いますよね。
QCDを達成するためにどのメーカー選択の良いヒントになれば幸いです。
クリームはんだメーカー一覧

まっさんが知っているメーカーです。
この表は、国内のクリームはんだメーカーを一覧表にしたものです。
もしかしたら【このメーカーが入っていない】などあるかもしれませんがご了承ください。
メーカー | 本社 | 国内工場 | 海外工場 | リフロー炉 |
---|---|---|---|---|
千住金属工業 | 東京都 | 埼玉県 栃木県 愛知県 兵庫県 | 欧州 北米 アジア | あり |
タムラ製作所 | 東京都 | 埼玉県 | 欧州 北米 アジア | あり |
松尾ハンダ | 神奈川県 | 神奈川県 | - | - |
日本アルミット | 東京都 | 東京都 山梨県 | アジア | - |
日本スペリア社 | 大阪府 | 大阪府 岡山県 | アジア | ー |
弘輝 | 東京都 | 埼玉県 | 欧州 アジア | あり |
ハリマ化成 | 東京都/大阪府 | 兵庫県 | 北米 欧州 アジア | - |
ニホンゲンマ | 大阪府 | 大阪府 | - | ー |
石川金属 | 大阪府 | 大阪府 | アジア | ー |
ニホンハンダ | 東京都 | 千葉県 | - | ー |
小島半田製造所 | 東京都 | 千葉県 | - | ー |
テリーサ研究所 | 埼玉県 | 埼玉県 | アジア | ー |
ソルダーコート | 愛知県 | 長野県 | アジア | ー |
内橋エステック | 大阪府 | 大阪府 | ー | ー |
この表から分かる事
・国内には14メーカーがあり選択肢が沢山ある。
・東京都、大阪府などのメーカーが多い。
・主要メーカーは東京都に多い。
・主要メーカーはクリームはんだとセットになるリフロー炉も販売している。
まっさんのおすすめメーカー



おすすめするクリームはんだメーカーは下表メーカーです。
個人的な経験からのおすすめメーカーですが技術力は非常に高いメーカーという認識です。
メーカー | 特徴 |
---|---|
千住金属工業 | クリームはんだのシェアナンバーワンのメーカーでJEITAでも中心的な存在で 鉛フリーはんだの主組成であるSAC305(錫96.5%銀3.0%銅0.5%)を導いたメーカーで 様々な組成に対応しており、最近では低融点はんだのMIRATERAを発表しています。 リフロー炉などの装置も手掛けており、外せないメーカーです。 |
タムラ製作所 | 千住金属と並ぶメーカーで濡れ性が良いフラックスのクリームはんだを製造し ボイド特化はんだなどもあるメーカーで以前はシェアを落としていた印象ですが 最近では元に戻ってきている。 タムラ製作所もリフロー炉などの装置を手掛けており、技術力が高い認識です。 また、メーカーから直接購入できるのもメリットで営業さんと直接技術的話が出来ます。 |
松尾ハンダ | はんだ専業メーカーで技術力が高いメーカーでFLF01シリーズは本当に使いやすいです。 今後重要が高くなるシリンジ型の急加熱対応版のFLF01ーBM(D)は素晴らしいです。 やに入りはんだのRMA-Zもフラックス飛散しないです。 はんだ付けロボットメーカーエンジニアからの評判も高い。 |
日本アルミット | やに入りはんだ【KR-18】NASAのスペースシャトルに採用されたメーカーとして有名で 非常に技術力が高いはんだ専業メーカーです。 日本アルミットのクリームはんだは少し甘い香りがするのも特徴です品質も良いです。 |
日本スペリア | SN100Cという銀レス組成が有名でコストが安いメーカーです。 (錫、銅、ニッケル、ゲルマニウム組成) その分融点が10℃高いため、温度プロファイルを再設定する必要があります。 最近のラインナップではSAC305(錫96.5%銀3.0%銅0.5%)も出しています。 |
どのメーカーもシリンジ型クリームはんだ(ディスペンス用)の開発が盛んです。
SMT(表面実装工程)だけではなく、DIP(挿入部品工程)にもクリームはんだを使う傾向が出て来ている
クリームはんだのコスト構成



クリームはんだのコストに大きな影響を受けるのは地金相場です。
主要ソルダーペースの成分は、一般的には、錫、銀、銅のはんだ粉末が約9割、残りはフラックスで構成されます。
(錫96.5%銀3.0%銅0.5%の割合でSAC305とも言われます。)
銀の含有量は僅か3.0%ですが地金単価が高いためクリームはんだ価格に影響があります。
コスト影響を無くすために以前は銀含有量を下げたクリームはんだ等を採用する傾向もありましたが最近は錫相場も高騰しておりクリームはんだのコストに悩む工場も増えています。
コスト構成
・はんだ粒の平均地金相場(錫、銀、銅の過去6カ月平均、過去3カ月平均など)
・フラックス
・管理費





