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はんだ付け成功の鍵!SMT温度プロファイル解説

表面実装技術(SMT)におけるはんだ付け工程は、精密で洗練された技術を要します。

この工程の心臓部を成すのが、「温度プロファイル」という概念です。

はんだ付けにおいて適切な結果を得るためには、ただ単にはんだを溶かすだけでは不十分です。

温度プロファイルとは、はんだ付けの温度と時間の経過を精密にグラフ化したものであり、フラックスの活性化や基板および搭載部品への熱の伝わり方を可視化します。

この記事では、SMT工程でのはんだ付けに至るまでの、温度プロファイルの重要性、設定方法、およびその測定に関連するキーポイントを解説します。

リフローはんだ付けの地味ながらも絶対に欠かせないこのステップには、工場ごとのノウハウや厳密な温度管理が必要であり、最終製品の品質を大きく左右します。

このガイドを通じて、温度プロファイルがどのようにSMTの成功に貢献するか、その理解を深めていきましょう。

プリント基板は携帯電話、スマートフォン、ゲーム機、家電、自動車、医療、飛行機、宇宙関係など、製品の頭脳の役割をするあらゆる電化製品に組込まれ箇所に使われています。

リフローはんだ付けはヒーター制御でクリームはんだを溶かす技術が必要な工程です。
ただ溶かすのではなく、良好なはんだ付けにするためにフラックス効力を引き出した温度条件が要。

スマホ搭載された実装されたプリント基板

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SMT工程リフローはんだ付けとは

リフローはんだ付け工程とは、リフロー炉という機械を使用して、プリント基板上にはんだを溶かし、部品を基板に固定する作業のことです。

この工程は、単に基板を加熱するだけではなく、クリームはんだの特性に合わせて適切に加熱する必要があります。

適切な温度管理と加熱プロセスを行うことで、高品質なはんだ付けが実現されます。

このためには、専門的な知識や技術基準が必要とされます。

リフロー炉装置とは

リフロー炉は、プリント基板にクリームはんだを印刷し、電子部品を搭載した後の表面実装工程(SMT: Surface Mount Technology)で使用される特殊な装置です。

この装置には、基板の上下に多数のヒーターが備えられており、はんだを溶かして部品を基板に固定するために使います。

リフロー炉を使用する際のコツは、はんだ付けに最適な温度条件を見つけることです。

これを実現するために、温度プロファイル(基板が通過する際の温度の変化を記録したデータ)を測定し、基板と部品にとって最良の加熱条件を設定します。

このプロセスの知識と経験が、高品質なはんだ付けを実現するための重要なノウハウになります。

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SMT実装での温度プロファイルとは

温度プロファイルとは、リフロー炉を通るプリント基板に熱電対を取り付け、その特定の場所での温度と時間の経過を記録し、そのデータを波形グラフにしたものです。

このプロファイルを使って、基板がリフロー炉を通過する際の温度変化を正確に追跡します。

SMT(Surface Mount Technology: 表面実装技術)の実装工程では、チップマウンターが電子部品を基板に実装する様子が目を引きます。

しかし、工場の技術力を真に評価するには、クリームはんだの印刷やプリント基板の実装など、見た目には分かりにくい工程の精密さが重要になります。

特に、温度プロファイルを用いてどのようにして最適な加熱条件を決定しているかは、基板実装工場の技術力を判断する上で重要な指標となります。

この温度設定の背景には、製品の品質を最大限に引き出すための深い理解と精密な調整が求められます。

温度プロファイル測定器の役割


温度プロファイル測定器は、リフロー炉や波はんだ付けなど、プリント基板(PCB)のはんだ付け工程における温度変化を正確に記録・分析するための専門的な機器です。

この機器は、プリント基板が加熱・冷却される過程での温度の推移を時間とともに記録するために使用されます。

以下は、温度プロファイル測定器の主な特徴と機能です。

特徴・機能説明
熱電対センサー         複数の熱電対センサーを用いて、プリント基板やその部品の特定の点の温度を測定します。センサーは基板に直接取り付けられ、リフロー炉を通過する際の温度変化を捉えます。
データ記録機能測定された温度は、時間経過とともにデータとして記録されます。
このデータは後から分析することができ、波形グラフなどの形で視覚化されます。
温度プロファイルの分析記録された温度データを分析することで、はんだ付け工程の温度管理が適切かどうかを評価します。はんだの溶け方、フラックスの活性化、冷却速度など、品質に影響を与える要因を最適化することが可能になります。
品質管理と最適化温度プロファイル測定器による分析結果は、製造工程の品質管理に不可欠です。最適な温度プロファイルを設定することで、一貫した品質の製品を生産し、不良率を低減できます。

温度測定箇所の決め方

温度プロファイル測定の際の選定ポイントを分かりやすく整理しました。

項目内容
基板全体のカバレッジ確保基板上の部品配置を可能な限り網羅できるよう測定箇所を選定する。
特定部品の選定BGA、LGA、QFNなど目視できない部品は、X線検査できるよう少なくとも1つ選定する。
感度の高い部品の温度Moisture Sensitivity Level(MSL)が高い部品の温度も測定する。
最低耐熱温度の部品の測定基板上で耐熱温度が最も低い部品の温度を測定し、全体の安全性を確保する。
お客様との事前調整測定箇所については、お客様と事前に調整し、どの部分を測定するかを明確にする。

MSL(モイスチャーレベル)について

MSL(Moisture Sensitivity Level、湿度感受性レベル)は、基板上の電子部品が吸収した水分が、はんだ付けなどの加熱工程で気化し、その結果、部品の体積が膨張してパッケージが破損するのを防ぐために設定されています。

このレベルはJEDEC規格によって定められており、部品がどれほど湿度に敏感かを示しています。

基板は製造過程で温度差が激しい工程を通過するため、部品が事前に吸湿していると、加熱時に内部の水分が気化し体積が膨張、これが原因で部品のパッケージが破損する恐れがあります。

そのため、設計段階や試作段階で以下のような対策を講じることが推奨されます。

ステップ内容
事前の検討設計や試作段階で、耐熱性のある部品やMSLレベルを考慮し、開発チームや基板アートワーク設計者と連携する。
問題の特定と解決   潜在的な問題を早期に特定し、解決策や回避策を検討して、事前に問題を解消する。
 
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SMT温度プロファイルの波形解説

温度プロファイルには様々な形がありますが、ここでは「リニア型」という特定の形状の温度プロファイルについて説明します。

リニア型プロファイルは、はんだ付けの品質を考慮して設計されており、以下のような特徴を持っています。

項目要件
電子部品の耐熱温度   使用する電子部品は、250℃以上の温度に耐えられる必要があります。
クリームはんだの基準はんだ付けは、クリームはんだメーカーが定める基準内で行われるべきです。
フラックスの活性化温度の上昇や下降が急激すぎると、はんだ付けに必要なフラックスの活性化が損なわれないように注意が必要です。

SMT温度プロファイルチェックステップ

STEP
温度昇降

加熱初期の温度上昇には気を使います。
急激過ぎるとはんだボール発生、遅すぎるとはんだ濡れ性に影響が出ます。

STEP
プリヒート

初期加熱後のプリヒート時間はフラックス活性化が目的です。
採用しているクリームはんだの最適な活性化条件になるように温度帯、時間を調整する。

STEP
本加熱

本加熱は実際にクリームはんだを溶融させてはんだ付けをする箇所です。
採用クリームはんだの組成により融点が違いますのでクリームはんだ特性を確認して設定する必要がありはんだの融点に合わせた温度設定が必要です。

STEP
ピーク温度

ピーク温度とは温度プロファイルで最大温度を指します。
電子部品の耐熱温度内であるか、クリームはんだ融点を指時間を確保しているか確認する。
(クリームはんだ推奨条件に入っているか?)

STEP
一般的な組成のメーカー推奨:Sn96.5/Ag3.0/Cu0.5

220℃オーバータイム:30秒~60秒
ピーク温度:230~255℃以内

STEP
Δt(デルタティー)

△tとは温度プロファイルを測定箇所のピーク温度(最高温度)のMAX/MINの差温度の事で【エンジニア実力/こだわり】に差が出る過少である。

SMT温度プロファイルのまとめ

この記事では、SMT(Surface Mount Technology:表面実装技術)工程でのはんだ付けにおいて非常に重要な「温度プロファイル」について説明しました。

  • 温度プロファイルの役割
    プリント基板の実装工程では、電子部品を実際に基板に取り付ける作業も大切ですが、それよりも、動きがない「クリームはんだ印刷」や「温度プロファイルによる条件設定」の方が製品の品質に大きく影響します。

    つまり、どのようにはんだを溶かし固定するかが、製品の出来栄えを左右する重要なポイントになります。
  • 温度プロファイル測定の事前調整
    測定する際には、どこを測定するかを事前にお客様と調整し、測定箇所をはっきりさせる必要があります。

    これは、実装工場での経験やノウハウを積み上げ、改善していく上で非常に重要です。

簡単に言えば、SMT工程でのはんだ付けの品質を決めるためには、温度プロファイルの正確な設定と、その測定箇所の事前調整がカギとなります。

高品質な製品を製造するための基盤が築かれます。

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