基板実装に従事して30年の実装技術者です。
新製品や工場監査の悩み解決になればと思いブログを書いています。大量生産品は海外生産が多いですが
現代を支える産業なので国内生産することが技術発展にも繋がります。
基板実装業界の発展が未来を支えるので
この業界に関わる方が増えることを望んでいます。
今回、クリーニング付き基板ローダーに書きたいと思います。
品質分析や工程改善でゴミや異物付着って必ず出てきて生産しながらでは見に見えないゴミなどの付着物があります。
品質分析からプリント基板実装前に異物排除する事により重要な手段で私の体験した内容を書きたいと思います。
※基板を英語ではprinted circuit boardをPCBとも言います。
基板クリーナーとは
基板(ベアボード)表面には様々なゴミ、埃などが付着しています。
安価なハンディタイプ、装置だったり様々な物があります。
ローラータイプ
私が最初に使ったのはユニテク製のハンディローラーです。
安価で使いやすい。
http://www.unitechkk.co.jp/product/hand_cleaner/
ゆっくり転がすだけで(汚れ、ほこり、ゴミ等)をきれいに取り除くことができます。
実験した際にはローラーにシルクカス等色々なゴミが付着しており
ハンディタイプだけでも有効と判断できた。
クリーニング装置単体だと場所を取ってしまうので狭い所には相性が良いと思います。
装置に簡易的なクリーニング機構ですがかなりの効果がありました。
クリーニングローダーでの効果
クリーニング効果は絶大で下記イメージ画像のように様々なゴミが回収される。
不良率比較
クリーニング有無での不良率を比較してみました。
データでも有効性が確認出来ています。
クリーニング有無 | 生産台数 | ゴミ不良 | 発生率 | 発生ペース/台 | |
基板A | 無 | 8,158 | 11 | 0.13% | 742 |
基板B | 無 | 8,101 | 30 | 0.37% | 270 |
基板C | 無 | 8,522 | 2 | 0.02% | 4,261 |
クリーニング基板 | 有 | 38,890 | 4 | 0.01% | 9,723 |
※かなりの違いが出ます!
レーザーマーキング影響
レーザーマーキングでシリアルや印字を実施していると思いますが
印字装置内でも基板クリーナーを実施して実装前ローダー(基板供給装置)でも
実施する事がおすすめします。
レーザーマーキング後だけでは取り切れませんので2重で実施が良いです。
ダンボールカスの影響
クリーニングローダーで回収されたゴミを観察するとダンボール屑も多く含まれています。
これはプリント基板や部品梱包材料のダンボールの影響です。
工程内のダンボール取扱いも鍵になります。
まとめ
プリント基板実装品質にゴミ付着やシルクカス、基板屑が影響しています。
また納入された際の梱包材(ダンボール)のカス影響も大きいです。
基板実装工程に段ボール持ち込み禁止をするだけで品質は変わります。は
部品出庫時も段ボールは工程持ち込む前に取り出すことが絶対必要です。
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