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プリント基板実装工場でのコストダウン

アートワーク設計

日本の製造業はコスト重視だけで見られており厳しい状況です。

基板実装工場全体に言える事ですが安売り競争には参加しない事が重要です。

委託会社は実装費、組立費、部品費、治工具費と総ロット数で合算してコストが優位な工場に委託しますが安く仕事を受注しても更なるコストダウン要求が来ます。

利益が薄かったり、利益が出ない案件は絶対に手を出さない事が重要です。

仕事をしても利益が出ない工場になってしまいます。

今回の記事では基板実装工程で出来るコストダウンについて記事にしていますがプリント基板実装工場内のコストダウンにより安売り競争に勝つためではなく、利益が出る工場になるためにと思い書いた記事です。

絶対に日本国内の基板実装が再認識され見直されると感じています。

目次

プリント基板実装でのコスト構成

コストダウン

プリント基板実装コストの大まかな構成は3つになります。

他にも様々な費用がありますが製造業で大きな割合を占める内容で表現しています。

部品費と製造費(組立費)で主に構成されており、2種の内容を低減するかによります。

一番工場でのコスト効果があるのは製造費ではなく、いかに安価な部品を調達する事が工場競争力を高める近道です。

部品費とは

半導体

プリント基板に搭載されている電子部品があります。
部品種類により単価と員数が違います。
・CPUやメモリ等の半導体
・トランジスタ、ダイオード、LED
・コネクター
・抵抗、コンデンサ等
上記のように部品単価と員数を集約した値段を部品費と言います。

数十万円~1円以下の部品など単価には大きな差があります。

部品変更によるコストダウン

BGAリワーク

部品費コストダウンは部品調達部門が行う重要項目と認識しています。

電子部品には専用化された代替が効かない部品もありますが
大部分は代替部品が存在します。
機能性能はと大体同じでメーカーが違うため単価に差異がある部品があります。
その部品と相見積を取得する事により部品費を削減する事が出来ます。

闇雲にコストダウン要求をしても受け入れられるわけは無いですから
対象部品の機能性能を比較して部品変更を開発や顧客に提案する事で
部品変更申請が承認されれば実現可能です。

部品調達の方は価格だけではなく、電子部品の機能性能を把握する事により
自らのスキルを伸ばし部品調達能力向上が図れます。

定期的にメーカーや代理店に価格交渉を行う工場もありますが
この場合、定期的に価格交渉を予想し
予め単価を高めに設定されて可能性が高いので注意してください。

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電子部品削除によるコストダウン

アートワーク設計

部品費コストダウンは、生産技術で行う機能だと認識している内容です。

量産展開し品質安定したタイミングで行うコストダウンで
回路等を確認しプリント基板製品として使用していない機能やブロックや
端子部品(テストピン)などの候補を見つけて部品削除提案して
部品費コストダウンする事を言います。

この部分は生産技術部門のレベルを示すことが出来るコストダウンだと思います。

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アートワーク設計での基板実装コストダウンはこちら

プリント基板実装工程を分類

会社組織

最近の国内での生産は多品種小ロット生産に移行されており、
如何に生産効率を向上させて設備停止時間を削減し生産数量をUpさせて事を重要視されています。
プリント基板実装をしている工場の部署としては大きく二つに分かれます。
生産職場のコストダウンとしては品質向上と効率化となります。
・SMT工程+検査工程
・DIP工程+検査工程
今回は各工程の効率化でコストダウンを考えてみます。

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SMT工程/DIP工程のコストダウン

リフローはんだ付け

SMT工程(表面実装)とDIP工程(挿入部品)での生産効率向上をするには
設備停止時間の削減となります。
設備停止要因としては段取替え時間の短縮と設備トラブル停止が主な内容となります。
他にも様々な要因がありますが今回はこの2点に絞っています。

誰にでも分かり易くSMT工程(表面実装)を解説はこちら

DIP(挿入部品実装)工程  ~初心者の方にも分かり易く解説はこちら

段取り替え時間短縮によるコストダウン

チップマウンター

SMT/DIP実装工程共に段取り時間削減が必要です。
段取り時間削減と言っても様々な方法の段取り時間短縮方法があります。

SMT実装工程においてはTOP面/BOT面の部品配列を共通にすることにより
同一基板の部品段取りを一括で行い、実装面切り替え時にはプログラムチェンジと
メタルマスク交換のみとして段取り時間削減を行います。

DIP工程では人手挿入や自動挿入がありますが
部品挿入の大分部分はTOP面からの部品挿入となります。
自動挿入であれば常時使用する部品の部品セット位置の共通化があります。

現状人手挿入が多いですが部分的にも自動挿入を取り入れることで
SMT工程と同様に稼働時間を統一や人員削減をする事で
リードタイム短縮や人件費削減が図れます。

設備停止時間削減

設備メンテ

実装機やパーツフィーダー、はんだ槽等大切な設備は定期的にメンテナンスしていますか?
基板実装工場で稼ぐには生産設備が無いと稼げません。
製品出荷優先で設備稼働させる工場では急に設備故障が発生し長時間停止等なっていませんか?
短期的に見れば出荷を急ぐために稼働させても長いスパンで考えると損出が大きいです。

定期的、計画的メンテナンスを考えていない場合、予想もしない故障が発生します。
必ず重要なメンテナンスには予算と時間を確保して行う必要があります。

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まとめ

まとめ

記事冒頭にも記載したように
プリント基板実装工場は安売り競争に参加する将来不利になります。
工場内のコストダウンは利益を生むために行う事です。
コストダウンを通じ稼ぐ工場になるように勧めていくことが重要です。

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この記事を書いた人

【気が付いたら30年】
プリント基板量産: 6年
プリント基板試作: 2年
生産技術    :17年
営業技術    : 5年
【ブログ歴】  2021年6月開設
『プリント基板実装』や『ビジネス』などを発信しています。

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